今月より音声番組「インバウンド最前線 -訪日ビジネスの施策とリアル」を開始しました!この番組では訪日インバウンド業界リーダーをお招きして、訪日ビジネスの施策やそのリアルを深掘ります。

2030年訪日客6000万人時代に向けて、業界歴12年、多言語対応人材の即戦力マッチングサービスを運営するReelu(リール)代表取締役の今野が、時事ネタに触れながら、日本の受け入れ体制増強に向けてさまざまな事例や仮説を共有していけたらと思っております。

第1回目ゲスト:Fun Group 代表取締役 清水眞さん

Fun Group 代表取締役 清水眞さんです。毎月のように東京から地域に足を運んで体験づくりをしながら現地の方と交流されている清水さんのお話は、とても手触り感があり共感どころも多かったです!

<お話しした内容>

▼ 株式会社Fun Groupについて

国内4都市・海外6都市で現地ツアーを提供。年間約15万人の国際旅行者を案内。ガイド数150人、所有車両40台。アジアでトップクラスの規模で事業展開。

会社HP: https://corporate.fungroup.com/

▼ 代表取締役CEO 清水眞さんについて

旅行系学生起業を経て、Fun Group(旧タビナカ)にジョイン。2024年に代表取締役CEOに就任。

X(旧Twitter): @makoto_smz

▼以下は、書き起こしと一部要約です。

この番組では業界のリーダーをお招きして、訪日ビジネスの施策やリアルを深掘ります。本日のゲストはFun Group代表の清水眞さんです。よろしくお願いします。

では、はじめに自己紹介と会社の紹介を簡単にお願いします。

はい、株式会社Fun GroupのCEOの清水と申します。よろしくお願いします。Fun Groupは今海外6都市、国内5都市でガイド付きツアーをやっておりまして、年間で大体15、6万人くらいの方を案内させてもらっています。

もともと旅行系学生起業をしてまして、その後Fun Group(旧タビナカ)にジョインして、一旦別会社に抜けてはいるんですけど、2024年に戻ってきまして、その後代表に就任して今に至るという感じになっています。

Fun Groupの成長と変化

Fun Group直近1年で一番景色が変わった出来事って何かありますか?

なんかめちゃめちゃありまして、一番これだなって思ってるのは、今国内のグループ入りした会社が今3社増えました。もともと2024年に1社グループ入りしてるんですけど、そこから今追加で、この2、3ヶ月くらいで3社増えるっていうとんでもないディールをかましておりまして、今期の計画数値でいうと売上10倍とか、すごすぎる世界線にいて、本当に景色が変わってますね。

グループ会社の拡大と戦略

そもそもFun Groupってこれまでグループ入り・M&Aをかなりやってきてる印象なんですけど、グローバル合わせて今何社ぐらいグループ会社を迎えてるんですか?

グループ入りした会社でいうと、この3社以外に6社あるので、もう約10社ぐらいグループ入りして事業運営しますね。もともと僕ら13期の会社なんですけど、ほとんどずっと海外で事業をやってきた会社なので、そっちの方がやっぱりグループ入り活動してる。直近ここ1、2年ぐらいはかなり力を入れてまして、加速度的にグループ入りしていきたいです。

なんで皆さんFun Groupに入りたがるんですか?

いろいろ要因はあるかもしれないけど、僕はバイブス9割。残り金額とか1割かなって思っていて、もちろん経済的なメリットやシナジーは大きな要因ではあるとは思うんですけど、最後は本当に気心知れた人じゃないとなかなか決まらないんですよね。本当に半年間くらいの付き合いで一緒にやらせてくださいみたいな感じになってる業者さんもいっぱいいるので、やっぱり本当に良い志でやってますとか、業界に良い影響を与えそうだなと思ってもらえないと、そういうところに至らないのかなと思っていて。

毎月関西・地方に出張しながら、毎回毎回同じ事業者さんに会って、やっぱり飲みながらとかじゃないと出てこない課題感とか、「ここ困ってるんだよね、清水くん」って聞いてそれを答えていくみたいな。そういうウェットなコミュニケーションをひたすらしていると言いますか。

チームへの貢献

グループ入り前に何か貢献できるところはないかなっていうので、すごいギブの精神で、何かできることはやろうみたいな感じをグループ入りしなかったとしてもやってたりするんで、何かそういうのが待ってるかもしれないですね。

高付加価値体験について

今回清水さんとお話できるなら絶対聞きたいなと思ってたところとしては、「高付加価値って何ぞや」みたいなところでして、Fun Groupで高級ホテルとかとも提携して、高級ホテルのブランドにそぐった体験を作ってるわけじゃないですか。巷では高ければいいみたいな商品とかも正直見かけるんですが、清水さんの考える高付加価値って何みたいなところをちょっと聞きたいです。

まず僕ら今やってるのが高級ホテルに宿泊に来てる人に対して商品を作って体験してもらうというのをやってるんですけど、やっぱりその旅行者さんがどんだけテンションが上がるポイントを作るのかっていうのを、逆に言うとそこしか考えてなくて。

作りってだけの視点になってしまうと、多分無限に価格が上がってると思うんですよ。このお茶飲んだほうがいいよね、この器具使ったほうがいいよねとか言い出すと、もう平気で5万10万、やっぱりもっと英語喋れる人がいるとか、いろいろ積み重なっていってしまって、ただただ値段が上がってしまう。でもそれって求めてるのかなっていうのがすごい大事なポイントなんじゃないかなと思っていて。まず僕ら自身がこのホテルに泊まった時にどんな体験があったらいいのかなみたいなのを、お客さんと対話しながらもそうですし、僕ら自身もそういう目線で企画するっていうのはすごいやっています。

究極、日本滞在の中で思い出に残る瞬間って多分何箇所かしかなくて、思い出に残るみたいなのが結構大事そうな気がする。

価格設定と体験価値の関係

僕ら京都で人力車を1つの商品としてやってるんですけど、人力車って大体60分で2万円前後が相場なんですね。そもそも60分という短さで2万円でもかなり高い部類に入るんじゃないかなと思うんですけど、季節限定の、例えば桜のシーズンだけのツアーとか、紅葉のシーズンだけのツアー、あとはホタル見に行くツアーとか、そういうのを僕ら企画してるんですけど、高くしすぎちゃっても売れちゃうみたいなのってあるんですよ。

本当にいい体験だったら売れちゃうっていうのもあるんですけど、高くても売れちゃうから、その中の満足度をしっかり聞いて、翌年はもうちょっと下げてもいいんじゃないかなって。売れるには売れちゃうから。本当に満足度につながってるのかみたいなとこを視点に置かないと、逆に長く続かないだろうなみたいなのがすごいあって、高いからいいとかではなく、満足度が高くないとやっぱダメだよねって。あえて翌年は下げるとか。

人員配置とツアー品質の向上

品質が高いものを担保するには、まさに簡単なことじゃないと思うんですけど、年間15、6万人動員してるスケール感でそれって、どうやってできてるんですか、Fun Groupの人たちは。

一言で言うと、僕らは意図して余白を作っているんですよ。正社員雇用をかなり積極的にやってまして、観光って繁閑期の差がすごいので、繁忙期はすごい忙しいし、閑散期はあまり人がいらないから、逆に言うと業務委託とかそういうベースでの契約ってのがほとんどなんじゃないかなと思うんですけど、僕らはそれだとツアーの品質を継続的に上げるのは難しい。ずっと同じツアーをやるってことしかやらないから、ツアーの改善とか新しい企画って、実はあんまり目が行かないなと思っていて。

僕ら正社員の人って、大体ツアーの対応するのが3割から5割くらい。残りの5割はツアーの改善か企画をずっとやってるんですよ。だから今年より来年、来年より再来年がどんどん良くなっていく。例えば、今僕ら京都の東山っていうエリアでやってるんですけど、周辺のお寺に行って、朝行ってみて、お昼行ってみて、夜行ってみてとか、いろんな時間帯でいろんな観光地に行って、どういう体験をツアーに取り込んだらすごい心地よくなるかなみたいなのを、積極的に行って確かめるみたいなのをものすごいやってます。

なので、現場でこの時期の、この朝の感じめちゃいいよねみたいなのを商品に入れるみたいなのをものすごいやってるんで、そういうのってデスクワークとかパソコンでGoogleマップ開いても絶対に分からないんですよね、その時の気温とか。

しかも四季って別に4つじゃない。そうです、かける時間帯と。本当にそうで。そこの一番心地いい切り取り方をどうやってやるかっていうと、夜でないとその時間帯のお寺とかって行かないよねとか、コースって今こっち行ってるんだけど、一本外れたらめちゃくちゃいい甘酒のお店があって、そこ行ったらほとんどの人飲みたいんじゃない?とか。そういうのも同じエリアだったとしても、いっぱい行かないとそういうアイディア引き出しにならないなと思っていて、引き出しを多くするっていうところにものすごい資金も時間も投下するっていうのはすごいやってる。

正社員じゃないとやっぱ無理だなと思っていて、業務委託で今1時間これくらいもらってるから、価値出さなきゃって考え始めると、その切り取り方とかそこまでの余裕が実は生まれないみたいなのがあるなと。結構いろんな形でツアーの企画とか改善とかに携わってもらうことがあるんですけど、やっぱりそういうリラックスした形でやれてる時の方が面白いアイディアってかなり出てくるなと思っていて。そもそもやっぱり余白を作ることっていうのと、あとうちってマニュアルがほぼないんですよ。

いろんな商品、いろんな工程があるんですけど、やっぱり自分で考えて行動するとか、トーク作りとか自分で考えるっていうのが本当に大事だと思っているので、最低限のこういうことはやめておこうみたいなのはあるんですけど、それ以外のところは基本やっぱ自分でその工程を楽しんで自分でやっていくものみたいな考え方をとっています。

でもその分「この人良かったわ」みたいなコメントめっちゃ来るんですよ。デビューして初日で手紙もらったことがあって、体験してチェックアウトの時に手紙もらってすごい感動しました。これ嬉しいなみたいな。

業界でのコラボレーションの重要性

やっぱり僕らがM&Aしているのも、観光って総合格闘技だなみたいなのをすごい感じていて。観光って食べ物系もあるかもしれないし、人力車とか、ウォーキングツアーとか、自転車のツアーとか、料理作り体験とか、いろんなバリエーションがあるんで、実はその道のプロの人がいないとクオリティが上がりにくいみたいな構造がどうしてもできてしまっていると思っていて。

この業界ってある程度の小さな規模でやっている業者が何千社、何万社いますみたいな感じだと思うんですけど、それってなるべくしているなって思っていて。新規で料理作り体験を作ろうと思ったら、めっちゃ大変なんですよね。料理できる人を探さないといけないとかあったりするから、そういうのを考えると一定そこで何年かやってブラッシュアップされているところと一緒にやった方が早く拡大するし、クオリティも高くなる。

長い目で見るほど、例えば、お茶を立てれるようになります、1年か2年とかかけて、で、茶道体験できますとか。提供できるものが多ければ多いほど、飽きにくくなるんですね。飽きって実は一番の敵だなと思っていまして。

365日1日3回同じツアーをやっていたら、1年で1000回とかやるわけですよ。それだけしか商品を持っていないってなったら、大変じゃないですか。だからその飽きないっていうのが、クオリティの高さにも通じるなと思っていて、飽きないためにいろんな種類を、いろんな都市でやっている必要があるんですよね。

お客様からしたら人生一回の体験かもしれないけど、おもてなしする側からしたら、これ2000回目みたいな。そこのギャップってめちゃめちゃあるなって思っていまして、僕らはやっぱりいろんな都市でいろんな商品をやっているからこそ、飽きないし、いいものができるって思っていますし、意外と雨が降ると室内系ってものすごい商品が売れるんですよ。じゃあ雨降ったら売れない人力車があるんだったら、そっちに人乗ってみるねとか、結局その規模の経済的に、やりやすくなることがたくさんあったりする。

2030年に向けた展開計画

そんなFun Groupの清水さんが、2030年に向けて、これから取り組んでいきたいこと、野望みたいなのを知りたいです。

僕ら2025年で今国内5都市展開してまして、今年2026年でもう5都市展開するのが決まってるんですけど、ここから2030年までに、47都道府県全部制覇したいなと思っています。拠点を作りたいなって今思ってます。

僕らいろんな都市で展開する中で、経済的なこととか市場だけで考えるんだったら、やっぱり東京とか京都とか大阪とか、そういう主要都市でやっていくのがすごいいいよねって思いはするんですけど、実際いろんな都市に行ってみると、やっぱり日本って観光の宝庫だなってすごいあって、どんな都市だろうがもっともっと面白いコンテンツ作れるなって思っています。

今僕ら、「ゼンジャパン」っていうコミュニティを作ろうとしてまして、日本文化に興味がある人とか、エコとかそういうのに興味がある人を集めて、その人たちと一緒に新しい都市の立ち上げとかをやっています。地方に行けば行くほど、実は作り手側がすごく不足しているなというのはものすごい感じていて。

例えば箱根に行ってきたんですよ。今年ツアーを立ち上げる一つの都市ではあるんですけど、箱根って観光地としてはものすごく人気なんですが、実際行ってみるとなかなか住みづらいな、と。山と峠で、スーパーがない。買い物しようと思ったら、小田原の方に行かないといけなかったりするので、そりゃなかなかここに住んでツアーやろうとか、なかなか大変だよな、と思いまして。でもそういう時に気心知れた3人で一緒に箱根に行ってツアー立ち上げますとかって、むしろ楽しいなっていうのをすごい感じていて。

モメンタム経営

最近僕意識してるのが、モメンタム、勢いで考えようみたいな。Fun Groupなんで楽しくてなんぼだなって思っていて、僕らが楽しんでないと楽しませられるわけないじゃんって思ってるんで。例えば箱根でも一人じゃ大変なのも、3人行けば楽しいっていうことすら楽しんでやった方がいいみたいな。

それを47都道府県でやってったら、まだまだ実は商品としてコンテンツが手に届けやすい形になってない、面白い体験っていっぱいあるんじゃないかなって思ってるので、まずはそれを47都道府県でやりきりたいなって思います。

旅行体験とプロフェッショナリズム

今、インバウンドビジネス業界の人が最優先でやるべきこと、一つ教えてください。

はい、これはもうこれしかないなと思いまして、もっと旅行に行こうと。

これ、僕自身が当然海外も行きますし、国内でいろんな都市に行って思うのが、行けば行くほど、この都市でこのやり方したら面白いんじゃないかとか、そういうのって行かないとわからないとすごい思っていて、旅行に行けば行くほどその引き出しが多くなる感覚はあるので、まずは旅行者としてプロになろうじゃないですけど。

僕も今年、忍野八海とか行ってきましたし、富士山のコンテンツ力ってえぐいなとか思いながら、ここ人力車行けんじゃないとか、そういうのを旅行しながら思うことによって、手触り感がめちゃめちゃある展開ができるなと思っていたりするので、皆さん旅行業界で忙しいし本当に忙しいと思うんですけど、閑散期とかにでも、いろんな国内でも海外でも、行ってみて旅行者として築くことって絶対価値があると思うので。それをこう自社のサービスに活かせると、もっともっと日本が楽しくなるんじゃないかと思ってます。

ありがとうございます。手足を動かす、頭ではなく感情で、そしてモメンタム経営と。すごくFun Groupらしい。本日のゲストはFun Group代表の清水さんでした。ありがとうございます!